ボツリヌス毒素注入療法/ケミカルピーリング~肌のトラブル~

注入療法はプチ整形とも言われているものですが、メスを利用しない美容治療です。シワを消すために用いられる物質はヒアルロン酸をはじめ、コラーゲンやアテコールといったものがあります。ヒアルロン酸はみずみずしい肌を維持する働きがあり、真皮の一部を構成している成分です。コラーゲンは細胞同士を結合する働きがあり、これによって潤いを維持し、肌に弾力性と張りを与えています。アテコールは肌に取り込まれにくい特徴があることから、長期間シワのない状態を維持できます。この物質はアメリカで開発されたもので、注入剤としてシワ消しに用いられています。 ケミカルピーリングは薬剤を塗布してから角層を剥ぎ取って、肌が持つ本来の新陳代謝で皮膚を再生させる治療法です。乳酸やトリクロール酸、グリコール酸、サルチル酸などが用いられますが、肌の状況によって使用量やタイプが異なります。化学という意味を持つケミカルと剥ぐという意味を持つピーリングから出てきた言葉ですが、薬剤を使って取り除くのは基底層より上に発生したシワやシミです。四つに分類される表皮の内、最も奥に位置するのが基底層であり、この層では新しい細胞をどんどん作っています。そのため、メラニンが蓄積したり、シワの発生した角層領域を剥ぎ取り、その後、新陳代謝の力で肌を回復させて、シワやシミを取り除こうというのがこの治療法の考え方です。 ボツリヌス毒素注入療法は、人間の体に悪影響を与えるボツリヌス毒素を利用したものです。食中毒菌の一種ですが、希釈すればその悪影響は避けられるとのことです。シワには浅いシワと溝の深いシワがありますが、このうち乾燥を原因にして発生するのが前者です。後者は肌の深部で発生する緊張が原因と考えられているため、これを緩和する目的でボツリヌス毒素が用いられます。毒素が緊張を緩和すること自体不思議でしょうが、アメリカでは良く採用される治療法だそうです。 尚、肌のトラブルの対策ではまず紫外線を避けることです。しかし現実的には無理もあるため、日焼け止めや帽子などを利用するのも一つの方法です。また、乾燥も小じわの原因になるため、日ごろから保湿剤を利用することが薦められます。その他、抗酸化物質を摂取することで活性酸素の悪さを抑えることができます。