単能性、多能性、全能性幹細胞

幹細胞としてよく知られているのはiPS細胞です。人工多能性幹細胞のことであり、人工的に作り出す事ができます。対象となる人の体から微量に採取した細胞でも試験管内においてあらゆる臓器細胞として成長させることができます。一方、ES細胞の歴史はiPSのそれより古く、かつて倫理上の問題点が指摘されていました。また米国政治がらみの関係もあったため、あまり世に出ることはなかったのですが、その研究は人間に応用できるところまで来ていると言われています。いわゆる胚性幹細胞のことですが、幹細胞そのものは能力やどういった細胞に変わるのかで、単能性、多能性、全能性幹細胞に分類されます。 単能性幹細胞は決まった臓器細胞のみ生成する細胞です。多能性幹細胞は多くの細胞に変化できますが、作り出すのが困難です。これは受精卵が有する能力の或る部分が欠損しているためです。全能性幹細胞は人間を完全に形成することが可能な細胞で、受精卵と同等です。ただ、こういった分類方法は明確にはなっておらず、通常万能細胞と言えばiPSやES細胞を指していて、大概の臓器細胞に変わることが可能な幹細胞を意味します。