睡眠と覚醒を司る体内時計に関与している成分で、ホルモンの一つとなります。不眠症及び時差ボケなどに利用されていますが、近年では抗癌性についての臨床試験も行われています。また、抗ストレス作用や胃粘膜保護作用なども指摘されており、その期待される効能の範囲も大きくなってきています。ただし、臨床データが不十分とされているため、長期に渡っての利用は控えるべきとされています。尚、メラトニンは脳の松果体より分泌される物質で、通常、夜間から早朝にかけてその分泌量が増加し、昼間は抑えられていることになります。
メラトニン/有害で危険性の高い相互作用
カバ、バレリアン、セントジョーンズワートには、メラトニンとの間にいずれも有害とされる相互作用が知られています。カバは、不眠症及び不安症に使われている植物の一つで、メラトニンと組み合わせて用いることで、強い傾眠作用を現す恐れがあるとされています。またアルコールをはじめ、セロトニン再吸収を阻害する抗鬱薬と組み合わせての利用は控えます。その他、鎮静作用を有する他の成分との併用も禁忌となります。バレリアンは、不眠症及び軽い不安症などに対してサポート的に利用されているもので、メラトニンとの併用から強い傾眠作用を示す危険性があると言われています。また、セロトニン再吸収を阻害するフルオキセチンなど抗鬱薬との併用も控えます。更に、鎮静作用を有する他の物質との併用も控えます。セントジョーンズワートは軽い鬱症状や不眠症及び不安症に適用されている植物で、こちらもめらとにんと組み合わせて利用することで強い傾眠作用を示す場合があります。また、鎮静作用を有する他の物質との併用も禁忌とされています。