不眠症や不安症、軽度の鬱症状に対して用いられているもので、人間の体内において作られる化合物の一つとなります。人間の体に多く分布するアミノ酸の一種であり、臨床試験においても関節炎の改善報告例が多く見られます。また、線維筋痛症及びアルコール性肝障害に対しても、改善例が報告されています。SAMe(サム・イー)は、メチオニンより合成されている物質であり、人間の体の中で多くの生化学反応に関わっています。年齢と共に減少傾向にありますが、鬱症状へ対する作用メカニズムはハッキリ解明されていません。ただ、報告例では、脳内におけるノルエピネフリン及びドーパミン濃度への影響、そしてセロトニン代謝への影響などが示されたものも見られます。また、抗炎症作用がS-アデノシルメチオニンに認められていることから、これが関節リウマチ及び関節炎へ有用に働きかけ、更に軟骨修復を促す働きがS-アデノシルメチオニンにあると言われています。
有害で危険性の高い相互作用
バレリアン、カバ、セントジョーンズワードにはいずれもSAMe(サム・イー)との間に有害な相互作用が認められています。バレリアンは、軽い不安症及び不眠症など、サポート的に利用されているもので、SAMeとの併用により強い傾眠作用を発症する恐れがあると言われています。また、鎮静作用を有する他のハーブやサプリメント、そしてアルコールなどと組み合わせての利用は控えます。その他、抗鬱薬のうち、セロトニン再吸収を妨害する働きを有する薬も禁忌となります。カバは、不眠症及び不安症に対して利用されているもので、SAMeと組み合わせて利用することで、強い傾眠作用を示すこともあるとされています。こちらも、鎮静作用を有する他の物質、セロトニン再吸収を妨害する抗鬱薬との併用は禁忌となります。セントジョーンズワートは、軽い鬱病や不安症、不眠症といったものに利用されているもので、SAMeとの併用により、脳内に存在する化学物質に悪影響を与えると示唆されています。このため、SAMeとの併用は控えるべきとされています。また、セントジョーンズワートを利用する際は、日光になるべく当たらないようにする必要性があります。その他、セロトニン再吸収を妨害する抗鬱薬や鎮静作用を有する他の物質との併用は禁忌となります。