浜栲/ハマゴウ[はまごう]

ハマゴウの概要

ハマゴウはあまり知られてない植物ですが、クマヅラ科に分類される小低木となります。砂の上を伸長する幹を持ち、これがハマハウとなって、最終的にハマゴウと転じたことに由来する名称になっています。また、アオイ科に分類されるハマボウと呼ばれる植物も存在していますが、この植物はフヨウと同種のものとなります。ハマゴウの花は、七月から九月にかけて開花し、その色は紫色をしています。花が咲き乱れる頃は、非常に美しいと言われている植物になります。果実は、花の時期が終了する頃につけ、その大きさは六ミリ前後になっています。利用されるのは、この果実になります。神農本草経などにはハマゴウのことが記録されており、庶民の間では昔から神経痛などの症状に対して用いられていたようです。入浴剤として利用されていた他、薬用酒としても重宝していたそうです。ハマゴウは、漢方の領域でも使われており、蔓荊子(まんけいし)と言われる生薬名を持っています。これは果実にあたります。洗肝明目散(せんかんめいもくさん)や滋腎明目(じじんめいもく)などは目の障害、蔓荊子散は耳鳴り、セイジョウケンツウトウは頭痛などにそれぞれ利用されているもので、いずれも漢方において配合され、且つ処方されるものとなっています。浜栲に含有される成分では、テルピネオール、カンフェン、α-ピネンといった精油成分、そしてヴィトリシンと言われるアルカロイド類などがあります。

ハマゴウ/薬草で期待される効能・効果

耳鳴り、目の障害、頭痛といった症状に対して、その改善目的で利用されています。