マツホド・ブクリョウの概要
マツホドは傘と脚から構成されるキノコですが、これは、胞子を生成するため、一過性の形であって、子実態と言われるものです。実態とされるのは、糸状から構成されている菌糸といわれる物質となります。キノコ類であるマツホドは、菌糸が集合して、非常に大形の菌核を作り出します。これはとても大きな塊で、ケースによっては一キロに及ぶものも存在しています。このキノコは気質性で、多孔菌科に分類されています。かつてはサルノコシカケ科と呼ばれていたもので、現在、多孔菌科とされています。マツホドは秋から年を越えて春の間で採取され、主に倒れた松の木が数年たった根に生じます。茯苓(ブクリョウ)は生薬名のことで、日本薬局方にも記載されています。神農本草経にも記録されていて、古くから利用されていたと考えられています。一般に、ブクリョウを単体で使われることはありません。ただ、漢方の領域では、様々な処方に配合されるに至っています。かつて、マツホドは九州などの宮崎県や鹿児島県において栽培されていましたが、今日ではその生産量も減少していると言われています。輸入されたマツホドは、中国産や韓国産がほとんどとされているため、現在、市場に出回っているマツホドは、その多くが輸入ものとなっています。
マツホド・ブクリョウ/薬草で期待される効能・効果
五苓散は排尿障害に用いられるもので、当帰芍薬散は、婦人病の諸症状に使われます。八味地黄丸は、お年寄りの夜間頻尿に対して利用され、五淋散は、尿道炎などに使われます。いずれも漢方の領域で配合されたもので、ブクリョウ単体の作用ではありません。