鉄葎/カナムグラ[かなむぐら]

カナムグラの概要

カナムグラの雌株は、紫褐色帯びていて、穂は短く下側に垂れています。雄株は沢山、淡黄緑色の花がつきます。いずれも秋を迎える頃に、円錐花序に発生させ、雌雄異株となります。小さな棘(とげ)が茎に見られ、よく伸長し、一面に拡大して他の植物にもからみついていきます。長い柄で対生するカナムグラの葉は、掌状に数箇所、裂けています。その表面及び葉柄にはザラつきがあります。クワ科に分類されるカナムグラはつる性の一年草で、日本各地の道端や野原に普通に見られる植物となっています。蔓草(つるくさ)は非常に強くなっており、ケースによっては他の植物に絡みつきすぎて枯らしてしまうこともあるとされています。そのため、カナムグラの栽培はあまり行われていません。取り除くのが一苦労になるからです。カナムグラを使う場合、茎葉を夏が訪れる頃に採取し、それを天日干しを行って乾燥させ、利用されています。尚、鉄葎は漢方の領域では生薬名を格別使用しておりません。一般に利用されているのは、花穂及び茎葉となっています。

カナムグラ/薬草で期待される効能・効果

利尿作用、健胃作用など。痒瘡(ようそう)などには煎液を用いて洗浄するのが良いとされています。利尿や膀胱炎を目的とする場合は、水を用いて煎じ、これを一日三回に分けて飲用します。健胃などは、花穂に効果があるとされています。尚、痒瘡とは痒いかさのことを言います。