藪柑子/ヤブコウジ[やぶこうじ]

ヤブコウジの概要

白く小さな花を数個、夏が訪れる頃につき、その花は下側に垂れて開花します。球形をした果実は、秋を迎える頃に成熟し、その色は赤色になっています。ヤブコウジは横に這って伸長する地下茎を持っており、その先は直立して地上茎へと変わっていきます。この茎の上側に葉は集合します。ヤブコウジは北海道の南側から九州に至るまで、日本各地の丘陵地などに見られる常緑の小低木となります。主に樹林の下側に生息しています。栽培する際は、株分けにて行います。採取は、根茎を地下部から掘り起こして、これを水を用いてよく洗浄し、その後天日干しにて乾燥させたものが薬用として利用されることになります。尚、ヤブコウジは、紫金牛(しきんぎゅう)と呼ばれる生薬名を持っています。これはヤブコウジの根茎、あるいは全草を乾燥させたものを指しています。

ヤブコウジ/薬草で期待される効能・効果

蟯虫駆除作用(ぎょうちゅうくじょさよう)、回虫駆除作用(かいちゅうくじょさよう)、解毒作用など。また、慢性気管支炎に伴う咳及び淡といった症状に対しても、その改善目的で利用されています。その他、喉に発生した腫瘍に対しても有効と言われています。藪柑子科に分類されている藪柑子は、安全な薬草とされていて、副作用や健康被害などのリスクが少ない安心して使える植物と言われています。利用する際は、天日干しにて乾燥させた全草を使い、これを水で煎じ、一日三回に分けて飲用されています。尚、利用の停止は必要ないとされるものの、まれに過剰摂取によって下痢や頭痛、胃の障害などを発症することもあるとされています。