雪の下/ユキノシタ[ゆきのした]

ユキノシタの概要

虎耳草(こじそう)は中国で呼ばれているユキノシタの名称で、これは見た目が虎の耳に似ている事に由来すると言われています。また、中耳炎などにもユキノシタの薬草が用いられているため、耳の病気に有効とされることが因んでいるとも思われます。日本でも、地域によって耳草(みみぐさ)や耳垂草(みみだれくさ)といったユキノシタの呼び名があります。その他、イドグサ、ユキヤケクスリ、カンカチグサなどとも呼ばれています。日本各地の湿地帯などに見られ、ユキノシタ科ユキノシタ属に分類されています。見た目は、赤褐色の毛で全草が包まれているような感じで、糸状の細い枝を茎の基部から現しています。その茎は、地上を伸長しながら這って、新しい株を作って増殖していきます。また雪の下は五枚の花弁を有し、その下の二枚は長くなっており、円錐花序に花を開花させます。また、卵形をした果実を実らせます。含有される成分では、エスクレチン、ペルゲニン、カリウム塩、アルブチン、タンニン類であるプロアントシアニジン、そしてケルシトリンやサキシフラジンといったフラボノイド類、また精油成分であるボルネオール、リナロール、カンフェンといったものがあります。

ユキノシタ/薬草で期待される効能・効果

消炎・鎮咳・解熱作用など。一般に、中耳炎、かぶれ及び湿疹、そして扁桃腺や風邪、浮腫み、また気管支炎や小児のひきつけなどに対してもその改善目的で利用されています。利用する際は、花が咲く五月から六月にかけて採取した葉を乾燥させ、これを煎じて飲用されます。また揉んだ生葉を使って、患部にそのまま塗布されることもあります。