ノコギリヤシの概要
利用部位はノコギリヤシの果実で、シュロ科に属し北米南東部に生息しています。ノコギリヤシは男性の機能障害に期待される植物の一つです。前立腺肥大症の初期段階では、頻尿や尿が出にくい、排尿に時間がかかる、といった症状が現れますが、これらは前立腺全体が肥大化することによって発症します。肥大結節は、尿道側の内腺に結節が発生することが原因であり、この結節が次第に肥大化し外腺を圧迫するようになってくると前立腺全体が肥大化して行きます。肥大結節は大体３０代頃から見られる症状で、５０代では約五割程度の男性に見られる症状です。その原因では、DHTと呼ばれるジヒドロテストテロンの増加に起因するものがあります。テストステロンは男性ホルモンですが、このホルモンから酵素によって生成されるのがジヒドロテストテロンになります。男性の場合、年齢と共にこのジヒドロテストテロンの生成が増えて行きます。また、前立腺の受容体と、このジヒドロテストテロンが結合する際の刺激も前立腺肥大を引き起こす一因と言われています。ノコギリヤシは、テストステロンからジヒドロテストステロンに転換する酵素の機能を抑制し、前立腺に存在する受容体にテストステロンが結合するのを阻害する働きがあると言われています。
ノコギリヤシ/サプリメントで期待される効能・効果
前立腺肥大症の予防改善。その他、抗痙攣や抗炎症などが知られています。ノコギリヤシの臨床試験では前立腺肥大症に有効とされる報告例が多数存在しています。安全性が高いとされているノコギリヤシですが、胃腸障害や皮膚障害を引き起こすこともあります。摂取する際は二、三ヶ月使用した後、その結果から継続の必要性を判断するのが良いとされています。ノコギリヤシの使用による副作用は特に知られるものはなく、相互作用においても認められている重大な健康被害などは存在していません。通常、医療においては前立腺肥大症を外科療法及び薬物療法を用いて治療します。ただ、こういった治療法では、副作用として男性の機能障害が現れることもあります。尚、別名ではソーパルメットとも呼ばれます。