亜鉛は、300種類近くの酵素の構成成分で、成長、妊娠、授乳、治癒など皮膚の生成や免疫力を高める役割を担います。体内に異物が混入した場合、亜鉛と亜鉛を含む酵素が免疫細胞を生成し、異物から防御します。また、亜鉛はタンパク質の合成に大きな関与があり、不足すると細胞分裂を正常に実行できなくなります。その結果、脱毛、爪の異常、味覚異常、皮膚炎などを引き起こします。その他、亜鉛は、血糖値を下げるインスリンの構成成分でもあります。また、活性酸素を抑制する酵素を活性化させ、癌を抑えたり、老化現象を緩めたりすると言われています。成人の体内には凡そ三グラム程度の亜鉛が含有されています。インスリン合成や免疫反応、糖質代謝、DNA合成、タンパク質といった物質に関与する酵素の成分として存在しています。また、人間の舌には新陳代謝の活発な味蕾という部分があり、十日程度で新しい細胞が生まれ変わっています。この新陳代謝に必要とされるのが亜鉛で、亜鉛が不足すると味覚障害を引き起こすこともあります。一般的には不足する成分ではありませんが、偏った食生活をしていると、欠乏症を招くこともあります。大人では皮膚炎やうつ状態、貧血、そして味覚異常といった症状が現れるケースもあり、子供では成長障害を引きこすこともあります。過剰症もあまり見られませんが、毒性が高いと言われている亜鉛を大量摂取すると、急性中毒を招くこともあります。
亜鉛の基準摂取量
男性 |
年齢 |
推奨量(mg/日) |
上限量:(mg/日) |
18~29 |
9 |
30 |
30~49 |
9 |
30 |
50~69 |
9 |
30 |
70以上 |
8 |
30 |
女性 |
18~29 |
7 |
30 |
30~49 |
7 |
30 |
50~69 |
7 |
30 |
70以上 |
7 |
30 |