静脈の色、逆流防止弁~心臓への帰り道となる静脈~
静脈は肌から見ると青くなっていますが、もともと血管には青や赤といった色調はありません。正確には白っぽくなっており、少しくすんでいます。内部を循環する血は暗赤色を呈しており、肌と皮下組織を介すると青色にうつります。
静脈の役目は、組織へ酸素を受け渡した後の血液を心臓へ送り届けることです。分かりやすく言えば、静脈は心臓への血液の帰り道であり、行き道である動脈と大体似たような部分を通過しています。通常、静脈は外部から見ることは出来ませんが、皮静脈は例外です。この血管は肌直下を走っているため、採血時に利用されます。前腕や肘内側などに見られますが、この血管も網の目状で皮下組織に見られます。
動脈内の血は心臓から血液が押し出されて勢いを持っていますが、毛細血管を通過した静脈の血液には大した圧力がありません。流れも弱く脈拍も感知できません。血管壁は動脈に比較すると厚さがなく、流れは非常に弱くなっています。そこで懸念されるのが血液の逆流ですが、実は内部に逆流防止弁が形成されています。弁によって逆流を防ぐと共に静脈周囲の筋肉がポンプの役割を持っています。下肢の血液が上側の心臓へ送り届けられるのは、こういった仕組みがあるためです。