便秘による体への影響
自律神経には交感神経と副交感神経があります。消化の働きに関わるのは後者の副交感神経です。過敏性腸症候群は、近年増加傾向を示しており、この疾患は自律神経の乱れからそれが副交感神経へ影響を与えて統制できなくなるために発生するのではないかとも言われています。胃腸で起こる蠕動や消化液の分泌などは副交感神経が支配しているため、交感神経過多と言われる自律神経の不安定な状態が持続すると、消化機能に支障を来たすことになります。このことが過敏性腸症候群を引き起こす一つの要因と考えられおり、重篤な便秘や下痢といった症状を訴えます。
便秘は、腸内に便が長期に渡って滞ってしまう症状で、この状態になると本来ならすぐに有害物質が体外へ排出されるにも関わらず、それが再度胆汁と一緒に肝臓へ送り届けられてしまいます。このことは肝臓に対して無駄な負荷を与えることになり、酷いケースでは肝臓できちんと対処されなかった有害物質が全身を循環して脳へ移動した際に障害を発生させる可能性もあります。
腸内環境において善玉菌の方が多くて、便通が良い場合、善玉菌が酸を発生させます。微妙に腸内で酸性傾向を示すことは、蠕動運動を促すだけでなく、酸を嫌う悪玉菌を減少させることにもつながります。反対に便秘によって便が腸内に滞ってしまうと、有害物質を悪玉菌が産生してしまいます。こちらの菌は腸内をアルカリ傾向に変化させてしまうため、善玉菌の増殖が阻害されることになります。善玉菌は酸性傾向を好むからです。