幹細胞の複製能力/非・対称分裂
幹細胞の分裂は二つに大別されます。一つは対称分裂で、もう一つは非対称分裂です。前者は常日頃から幹細胞そのものに分裂して増えていきます。細胞の必要性が何某かの原因によって生じた場合、前もって作られていた幹細胞が二つに分化し、いっぺんに組織細胞を必要量だけ生成します。後者は幹細胞が分化する際に幹細胞が消失しないよう、自分と同じ細胞を形成します。これによって幹細胞が保たれるようにしながら、もう一つが目標の組織細胞となります。
幹細胞は自然治癒によって組織、臓器が修復される時、とても大切な役割を持っています。幹細胞は自分をコピーする能力を持っていながら、臓器細胞に変わることもできます。特定組織が傷を負った際、それを修復するために新細胞が必要です。その時、傷を負った組織周辺に存在している幹細胞が、自身をコピーしながら新細胞を作ります。どの細胞がどの箇所において、どれだけの傷を負ったのか感知し、幹細胞が不足しないように複製しながら必要とされる新細胞に変化していきます。