貪食能力
白血球や赤血球、血小板などは血液中に存在しますが、この中で血管内を動き回って独立した機能を持つのが白血球です。この物質はアメーバーのような単細胞生物であり、人間の体の中にウイルスや細菌などが入り込むと自身の形を変化させながら、異物を貪食します。この異物には細菌やウイルスだけでなく、癌細胞や老廃物なども含まれています。そして、体内へこれらの異物が侵入すると通常より何倍もその数を増加させます。また、白血球一つはこれらの異物を十個以上貪食できる能力があると言われています。しかし、体の中に余分な栄養が増加すると、この能力が落ちると考えられています。ある報告例では肥満児の白血球の貪食能力が通常より低かったとするものがあります。また、甘いものを食べさせた子供の血糖値が上昇した条件下で、同様の検査を行った際にも貪食能力の低下が見られたとのことです。
断食を行った場合、病気が治りやすくなったり、その治癒が促されたりするという考え方がありますが、これは過剰な栄養が体の中に存在することで、白血球は異物を貪食しなくなる性質があることに由来します。逆に言えば、断食を継続することで、白血球は異物を貪食し、その能力は亢進することになります。そうなると、体の中に存在する細菌やウイルスだけでなく、様々な老廃物を貪食し、癌細胞をも取り込んでしまい、結果として病気を引き起こす原因物質を次々に食べていってくれます。