心の風邪
日本では自分の命を断つ人が年間数万人に上ると言われています。その原因には借金や生活苦などがありますが、その根底には心の疾患が関与しているようです。人間どんな人でも風邪がをひいたことはあるでしょう。心の病気で言えば、特に鬱などは誰でも引き起こすリスクを持っています。また、直ぐに風邪を招きやすい人が認められるように、この心の病気にもそういった傾向があります。逆に言えば、未然に風邪を防ぐことができるように、鬱などの心の疾患もそれを防ぐことは可能です。もう一つ言えば、風邪が治癒するのと一緒で、基本的には鬱も治癒するはずの疾患です。これは、その原因が神経伝達に関する代謝による問題であるためで、異常を呈する代謝を治せばこの疾患も治癒して当然の結果と考えられるからです。
しかし現実にはこの病気が原因となって自らの命を落とす人が後を断ちません。ある説では、これを処方する薬に原因があるとする考え方があります。通常、最初にセロトニンを放出する神経細胞へこのセロトニンが逆戻りしないようにする抗鬱薬が用いられます。これは次の神経細胞へセロトニンを送り込みやすいようにする目的があるためで、神経細胞間には過剰なセロトニンが存在することになります。副作用をあまり認めないことから処方される傾向にありますが、実際にはセロトニンだけでなく、我慢させたりする鎮静タイプのアセチルコリンなどの神経伝達物質にも同時に働きかけます。このため、脳内は常時活性化した状態を招くと言われています。また、欝で命を落としてしまうのは、このことが原因の一つではないかとも言われています。