テストステロン
男性ホルモンはいわゆるテストステロンのことを言い、この物質が男性らしい体格などを形成します。こちらのホルモンは女性のそれに比較すると、減少傾向を示しだすのが中年以降であり、遅くなっています。急激に分泌量を減少させることはありませんが、それでも徐々に不安や不眠、頭痛、精力減退、肩凝りなどが示されるようになり、男性更年期障害を招きます。テストステロンを使った補充療法では前立腺癌の発症リスクを上昇させてしまいますが、精力が亢進したり、体脂肪減少、筋肉量が増える、骨量を増加させるといった効果も見られます。
女性ホルモンの補充療法は日本でも前から実施されていましたが、近年、心疾患を招いたり乳癌を発生させる確率が上昇するとの指摘がなされています。これはアメリカで行われた大々的な臨床試験による結果から得られたものですが、この結果が必ずしも日本人にそのまま影響を及ぼすかどうかは分からないと言われています。
女性ホルモンと言えば、女性らしい体型を維持させたりする物質で、いわゆるエストロゲンのことを言います。この物質は成人を過ぎた頃から徐々に減少傾向を示しますが、妊娠して子育てする間はこのホルモンによって保護されています。しかし子育てを終えて、閉経後に至るとかなり分泌量が減少します。そうなると、心疾患をはじめ癌や高脂血症、骨粗鬆症などあらゆる病気を引き起こしやすくしてしまいます。特に、エストロゲンの分泌量低下と共に引き起こされる骨量減少は深刻です。骨粗鬆症を予防する目的で女性ホルモンの補充療法が国内でも実施されていましたが、近年では上記の通り、その危険性も指摘されています。
いずれにしてもこれらのホルモン補充療法はリスクを伴う可能性が指摘されています。