骨粗鬆症における破骨細胞と骨芽細胞

成人に達するとそれ以上成長しない骨はとても硬く、変化のあまり見られない組織と解釈される傾向にあります。実際は常時新陳代謝が進んでおり、古くなった骨を新しい組織に入れ替えています。破骨細胞(はこつさいぼう)と骨芽細胞(こつがさいぼう)は骨の入れ替えに必要な組織で、前者は古くなった骨を溶解する働きを有します。後者は破骨細胞によって失われた箇所へ新たに作り出した骨を形成する役目を担っています。いずれの細胞も相互に分化若しくは活性へと作用し、骨の量が適切に維持され再生できるように調整しています。 いわゆる骨粗鬆症は破骨細胞と骨芽細胞の均衡が崩壊し、その結果として破骨細胞の機能が高まって生じる疾患です。高等な生き物では相反する作用を一緒に機能させるメカニズムを併せ持っていることが多いのですが、これは破骨細胞と骨芽細胞の関係にも同様のことが言えます。恒常性を保持させるための仕組みですが、交感神経と副交感神経の関係も同じです。