海綿質と緻密質

骨膜は骨の外部を包んでいる膜であり、その内部には二種類の層が存在しています。これは海綿質と緻密質と呼ばれているもので、前者は柔軟性があり、後者は固くなっています。骨の場所によってこれらの層の比率が異なり、海綿質(かいめんしつ)は踵や足の付け根部分、背骨などに多く含有されており、このため滑らかに体を動作させることが可能になっています。一方、緻密質(ちみつしつ)は手足に多く含有されており、全身を頑強に支えています。体の骨は約200本ほど存在し、これらがそれぞれ組み合わさって全身を構成しています。また、新陳代謝は臓器や皮膚、筋肉だけでなく、骨でもきちんと行われています。骨吸収は、骨を溶解して壊していくことを言い、これは破骨細胞(はこつさいぼう)が担っています。骨形成は、コラーゲンを骨の外側に作り上げ、その更に外側へミネラルを沈着させて行くことを言い、こちらは骨芽細胞が担っています。こうして、古い骨が壊されて新しい骨が形成されていきますが、通常、12ヶ月で一割程度が新旧交代していると言われています。骨が溶解されて残った成分は、再び血液に戻ってそれが体の中で再利用されます。 骨の役目は体を支えるだけでなく、ミネラルを溜めていく働きもあります。これは骨形成と骨吸収のバランスによって行われており、人間の体の中のミネラルは骨によってコントロールされていると言えます。また、血小板、赤血球、白血球といった血球は骨髄で作られています。これが血管に供給されているため、骨には血液を生成する役目もあると言えます。