神経幹細胞・造血幹細胞~ニューロン・アストロサイト・オリゴデンドロサイト~
記憶の沈着に関与する海馬ですが、近年では大脳皮質にも見られることが分かっています。脳の高次機能に関与しているのが大脳皮質であり、もともと海馬は記憶の定着に関与しているとして見つけられたものです。人体に元来存在する幹細胞の一つがこれらの神経幹細胞であり、ニューロン前駆細胞とグリア前駆細胞に分化します。また前者からニューロンへと分化し、後者からはアストロサイトとオリゴデンドロサイトに分化します。ニューロンは記憶と思考をするため、ネットワークを構築していきます。伝達された情報を他のニューロンに渡す事によって、より高度なネットワークが築かれて行きます。アストロサイトは脳の作りをサポートする他、物質を脳と血管において出入りさせることに関わっていると考えられています。オリゴデンドロサイトはニューロンを整備する他、これにからみついてその作りを補助したりします。
白血球、赤血球、血小板といった血液に存在する全ての細胞になるのが造血幹細胞です。つまり、単球、マクロファージ、リンパ球、好中球、好塩基球、好酸球といった白血球もすべて含まれます。前駆幹細胞をまれに形成する造血幹細胞ですが、血液内の細胞はこの前駆細胞がわき目も振らずに作っています。また、赤血球そのものはこの前駆細胞から形成されており、その数およそ数千億が一日で生み出されています。