皮下脂肪・内臓脂肪・血中脂肪
同一の食物を同じ量だけ摂取しても、肥満になる人と肥満にならない人がいます。これは人それぞれ消化吸収の働きが異なるためで、つまり新陳代謝される量の違いになります。太る人は内臓を利用する比率も低いので、消化吸収力も低下し、新陳代謝の作用も低くなります。一方太らない人は内臓の利用度が高く、結果として新陳代謝の作用が高まっています。肥満の原因は脂肪の蓄積ですが、この脂肪には、皮下脂肪、内臓脂肪、血中脂肪といったものがあります。皮下脂肪は、皮膚の内部に蓄積されていく体脂肪のことで、内臓脂肪は、腹腔内(ふくくうない)に存在する脂肪のことを言います。血中脂肪は、血液中に存在する脂肪のことで、濃度が上昇すると高脂血症を引き起こします。また、習慣生活病である動脈硬化(どうみゃくこうか)や高血圧、糖尿病といった病気を引き起こす原因にもなります。これらがいわゆる体脂肪を構成する脂肪です。また、血中脂肪は、中性脂肪とコレステロールに分類され、コレステロールは、悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)に分けられます。食物から摂取された脂肪は、リパーゼと呼ばれる膵臓の外分泌によって分解され、グリセリンと脂肪酸に変化します。これらは再度小腸から吸収されて、脂肪に合成されます。また、血中に存在する余った糖質も脂肪に転換されますが、これは膵臓から分泌されるインスリンによって行われます。