フリーラジカルまたは活性酸素

人間が生きていく上で酸素は必要不可欠な物質ですが、この酸素のなかにもフリーラジカルと呼ばれる活性酸素が存在しています。この活性酸素には高い毒性があるため、人間の体の中に侵入してきたウイルスを除去するために用いられていますが、その反面、動脈硬化や老化現象を進行させたり、生活習慣病である癌や糖尿病へ影響を与えていると言われています。通常、活性酸素の作用は人間の体がバランスをとって制御しているため特に問題はありません。主にマクロファージや好中球といった免疫系物質がウイルスや病原菌に対して攻撃するのに、活性酸素はその補助的な役割を担っています。問題となるのは、活性酸素が必要以上に存在してしまうことですが、これは過度なストレスや激しい運動、紫外線、タバコ、排気ガスといったものが原因となります。特に激しい運動では、多量の酸素を消費するため、それと共に体内に存在する活性酸素の量も増加していきます。活性酸素は、人間の細胞組織をも攻撃しますので、これが原因となって老化を促進し、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こしたり、進行させたりします。適度な運動は健康を促進するために必要なものとなっていますが、限度を超えた運動は体の健康を害します。また、抗酸化成分の不足やその機能が弱体化していると活性酸素が増加してしまう原因になります。尚、悪玉コレステロール(LDL)も活性酸素が引き金になって酸化しますので、血液中に含有される悪玉コレステロール(LDL)の量が多ければ多いほど、活性酸素によって酸化に晒される機会が増えます。動脈硬化は一般に、これが原因となって発症したり、進行すると考えられています。