尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型
一般に、個人によって生活習慣や食生活、体質によって差がある尿酸値ですが、いわゆる高尿酸血症では、尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型に分類されています。尿酸産生過剰型は、尿酸が大量に出来てしまう症状で、尿酸排泄低下型は、尿酸が体外へうまく排泄されない症状を言います。また、これらの混合型も存在し、日本人では尿酸排泄低下型の比率が高いとされています。これは、体質的に腎臓において尿酸を排泄する機能が低いことが原因と考えられています。ただ、日本人にその比率が高いのはハッキリと解明されていません。その他、動脈硬化や高血圧、糖尿病、腎炎といった病気に起因して腎機能低下が引き起こされると、尿酸がうまく排泄されなくなります。一方、尿酸産生過剰型は体質や生活習慣に起因すると言われていて、日本人には少ないとされています。どちらの場合も慢性化すると通風発作を何度も再発したり、また通風結節を患っているケースでは、体の中のあちこちに結晶が蓄積されて行きます。男女における尿酸値の比率では、女性の方が低いとされています。原因はハッキリ解明されていませんが、男性に比較すると腎臓における尿酸クリアランスと言われる排泄機能が優れていることが一つの原因となっています。尚、尿酸は血液に溶けにくい性質を持っており、体内でその含有量が増加すると、尿酸塩となり結晶化して行きます。これが、関節の骨と骨の間や皮下などに蓄積されていきます。尿酸塩はナトリウムと尿酸が結合することによって生成されますが、通常結晶化していません。血中濃度が上昇すると現れてきますが、その形状は細い棒のような形をしています。白血球は、この棒状の結晶を捕まえますが、その際白血球は破壊されてしまいます。これが原因となって関節において炎症を発生させます。