環境ホルモンを追い出す断食とキレート作用

内分泌攪乱ホルモンと言われているものは、体内でホルモン作用を誤って働かせてしまうリスクが高いと指摘されている物質で、いわゆる環境ホルモンのことです。PCBと略されるポリ塩化ビフェニールやダイオキシン、BPAと略されるビスフェノールAなどがこれに該当し、いわゆる産業廃棄物などから発生する物質で、そのほとんどは金属ではありません。塩化ビフェニールによる汚染は日本近海において認められており、養殖魚だけでなく人間の母乳中にも含まれています。特に日本では母乳中への濃度が高いことで知られています。 ところでPCBやダイオキシンに由来する発疹や神経障害、臓器異常がかつて問題視されましたが、当時において効果が認められた治療法は断食だったそうです。これは脂肪組織へ有害物質が溜まりやすい性質に理由を求めることができます。断食を行っている間は当然食物が体内に入ってきません。するとエネルギーの元となる栄養を、体の中に蓄積されている物質から取り出すことになります。つまり、こういった理由からエネルギーを作り出すため、体内に蓄積された脂肪が燃焼される訳です。脂肪に有害物質が蓄積してしまうことから、ダイオキシンやポリ塩化ビフェニールといった物質は、脂肪が燃焼される際に血中へ遊離します。そうすると、これらの有害物質は腎臓や肝臓を介して体の外へ排泄されることになります。 人の力による解毒では、たっぷりの食物繊維を摂取したり、水分補給、乳酸菌の摂取、発汗などがあります。いずれも排泄が中心となりますが、無毒化するというやり方もあります。これはその物質が有する毒性を封じ込めるが目的のもので、現在専用の薬も存在しています。しかし副作用などのリスクもあるため一般には様々なアミノ酸や微量栄養素を用いた方法が推奨されています。無毒化するにはキレート作用を有する物質が用いられ、つまり有害ミネラルを挟み込むのが目的です。ただ、このシステムは環境ホルモンに対して無効と考えられています。