骨の強化/イソフラボン/エストロゲン

緑黄色野菜をはじめ、豆類や乳製品、海産物などをバランスよく摂取し、それでも足りない分をサプリメントで補うことが骨粗鬆症をはじめとする深刻な事態を防止するのに役立ちます。この病気は女性に多く見られるもので、破骨細胞の作用を調整できないことが原因となります。破骨細胞はエストロゲンと呼ばれている女性ホルモンによって調節されているもので、骨の溶解が過剰にならないよう監視しています。しかし、このホルモンは更年期を迎える頃に減少しだすため、次第に歯止めがかからなくなります。そうすると、骨量は減少する一方で、スカスカ状態になってしまいます。骨粗鬆症になると骨折を簡単に引き起こすため、寝たきりの生活を余儀なくされることもあります。進行すると、痴呆を伴うことも考えられます。こういった現象を防止するにはやはり十分なカルシウムを摂取して骨の強化を図ることが大切です。日本の女性では一日600ミリグラムが所要量とされていますが、現実にはこれだけの量が十分に摂取されていないようです。 骨粗鬆症に有用だと考えられているイソフラボンはエストロゲンによく似た化学構造を持っています。この物質はポリフェノールの一種であり、大豆胚芽に多く含有されています。エストロゲンに比較するとその働きも弱くなっていますが、同様の作用を示します。加齢によるエストロゲンの減少が骨粗鬆症や更年期障害を招く原因と考えられているため、これを防止するのにはイソフラボンの摂取が役立ちます。ただし、原材料となるカルシウムやビタミンDなどが不足していては意味がないため、これらの成分も十分に摂取することが望まれます。