ホルモン補充療法

エストロゲンと呼ばれる女性ホルモン、テストステロンと言われる男性ホルモン、そしてhGHと略されるヒト成長ホルモン、DHEA、メラトニンといったものが減少することも老化を引き起こす原因になっています。どのホルモンも健全な体を維持するためには必要なもので、近年、若返りを目的にこれらのホルモンを補充する医療が行われています。ホルモン補充療法(ほるもんほじゅうりょうほう)と言いますが、日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは若返りの医療として取り入れられています。 小人症はヒト成長ホルモン不足から引き起こされる疾患ですが、通常、hGHは人間が寝ている最中に子供の身長を伸ばしたりする働きがあります。この物質は脳下垂体より分泌されており、成長だけでなく、肌に張りと潤いをもたらしたり、免疫力亢進、骨の強化といった働きもあります。かつて成人にはあまり影響を与えないホルモンとされていましたが、このホルモンの減少は記憶力低下や疲労感、筋力低下、体力低下などを引き起こします。およそ三十歳以降にこういった現象が見られます。 年齢と共に減少してしまうhGHですが、ホルモン補充療法の領域では、これを注射や錠剤といった形態で補います。しかし、錠剤などはそのメカニズムからあまり効果がないとされており、一般には注射だけが有効とされています。当該補充療法を行った結果、筋肉増加や運動能力向上、体脂肪減少、肺機能向上、皮膚増強などの効果が認められたとする報告例がいくつかあります。ただし、危険とされる副作用は知られていないものの、浮腫など軽度の症状を示すこともあるそうです。尚、hGHは重りを使った運動をすることで分泌量が増えるとの報告例があります。