漂白剤

食品に含有される着色物質を白色に変化させるもので、多くは現状の色調が好ましくない場合に用いられます。また、食品に対して色をつける前に、あらかじめ色を消し、その後目的の着色を行うこともあります。味や臭いは食品の価値を決定する上で大切な要素となりますが、食物の色も食欲を亢進させるなど、重要な要素となります。 漂白剤(ひょうはくざい)の種類では還元漂白(かんげんひょうはく)と酸化漂白(さんかひょうはく)という方法があります。いずれも食物を白く変色させるものですが、食品に含有される着色物質を無色にして白い色調に変化させるために用いられています。還元漂白剤では次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムがあり、酸化漂白剤には過酸化水素と亜塩素酸ナトリウムがあります。前者はチェリーを缶詰若しくは瓶詰した際、そして乾燥果実や果実酒、かんぴょうなどにも使われます。後者は数の子や桃、さくらんぼなどに利用されています。 還元漂白剤は亜硫酸を酸性水溶液で分解させて作り出し、これによって着色物質を還元させるものです。ただし、亜硫酸が消失するとその作用はなくなり、大気内に存在する酸素で色素が酸化され、再度着色するケースも認められます。また亜硫酸類や二酸化硫黄の安全性は評価されています。一方、酸化漂白は空気中に存在する酸素によって色素を分解させるもので、酸化の働きからもたらされます。また、過酸化水素や亜塩素酸ナトリウムは食品の製造過程で取り除かれるため、出来上がった食品にはこれらの物質は残りません。