肥満のメカニズム
肥満糖尿病の症状のメカニズムは、まず、肥満によって膵臓はフル回転でインスリンを産生します。これが高インスリン血症(いんすりんけっしょう)と言われるものです。この状態が長く続くと、今度は、細胞側にあるインスリンレセプターの量が減少して行きます。これによって、インスリンの感受性低下が起こり、高血糖(こうけっとう)が始まります。そして、膵臓(すいぞう)のβ細胞(べーたさいぼう)が作り出すインスリンと、細胞側にあるインスリンレセプターが結合されたあとの障害が加わってしまうと、膵臓は、これらの症状を正常に戻そうとして、更にインスリンの増産を繰り返します。こうした障害が続くと、血糖処理が正常に行われず、とうとう糖尿病(とうにょうびょう)を発症します。また、これらの障害を引き続き抱えると、今度は膵臓のβ細胞にも障害が引き起こされて、最終的に膵臓からのインスリン分泌が不足することになります。糖尿病の症状が悪化するとSU剤やインスリン注射による治療が行われますが、ここまで悪化すると、食べても食べても、体は痩せて行きます。ただし、膵臓のβ細胞にまで異常を来たす重症な糖尿病の症状は、2型糖尿病のうちで、遺伝的な体質を抱えている人に限られると、言われています。