ステロイドによるムーンフェースやシミ

ムーンフェースとは、満月様顔貌のことで、顔が丸くなることです。これは、副腎皮質ホルモンであるステロイド剤を長期間服用している方が発症する症状で、体の脂肪の分布の変化により引き起こされます。特に顔面、顎、胴などに脂質が蓄積させてしまう特徴があり、逆に手足の脂肪は少なくなります。 シミが発生する直接の要因は紫外線によるものがほとんどで、ステロイド剤によるシミとはいえません。ただし、ステロイド剤を塗ることによって、メラニンの産生を抑制する作用があり、色素異常が起こることもあります。また、皮膚が萎縮することで紫外線を防御する作用が低下することもあります。 余談ですが、似たような働きを持つ薬を複数摂取すれば、強い作用が現れます。反対の作用を持つ薬を摂取すれば、個別の効き目によりますが、その効果は弱くなります。よく、早く効果を出すために、似たような作用を持つ薬を沢山摂取される方がおられることと思いますが、この場合、期待する効果が強くなるだけでなく、副作用までも強くしてしまいます。病院で出された薬以外に、市販の薬を併用する場合は、特に薬の相互作用に注意することが大切です。また、「糖尿病の薬を飲んでいる」という漠然とした表現をされる方が多いと思われますが、これでは薬の作用が分かりにくいものです。糖尿病の薬を飲んでいるのであれば、その薬名をメモに書くなどしてそれを持って、医師や薬剤師に相談してみるのがいいでしょう。