ぬるま湯と熱めの風呂

一般に風呂に入った際、少しぬるいと感じる温度は38度より下で、四十三度以上になるとやや熱いと感じようですが、体の健康に効果があるのはどちらなのかということが良く議論されます。つまり、ぬるま湯の方が体にいいのか、熱めの風呂に入った方が体に良いのかということです。通常、ぬるめの湯舟につかると緊張をほぐすことから、副交感神経が刺激されます。この場合、脈拍が落ちることから疲労回復につながり、精神緊張を解きほぐすことからストレス解消や不眠症の改善につながります。また、血圧を落とす働きがあることから高血圧の人には有用であり、胃腸の作用を改善することから胃腸の弱っている方や食欲不振の人には有用となります。一方、やや熱めの湯舟につかると、刺激される対象が交感神経となります。こちらは、神経を興奮させる働きがあることから夜寝付きの良くない方には適しません。しかし朝風呂などは寝起きの良くない人の方が適しています。また、湯舟につかることで体温が急激に上昇するため、痛みを生じる腰痛や肩凝りといった症状を訴えている方には最適です。熱めの風呂は血圧も上昇させるため、低血圧の方には適しています。更に、胃液分泌を抑える働きがあることから、胃酸過多気味の方や胃腸疾患を患っている人などには向いています。 基本的には、現れている症状や自身の体質によってどちらが向いているのかは異なります。そのため、自分が入浴している最中に気持ちが良いと感じられる温度が一番適しているのではないかと思われます。そうすることで、汗の分泌や排泄を促進し、ひいては血液を綺麗にしていくことになります。