糖質・酸素・エネルギー~TCAサイクルから生まれるクエン酸~

デンプンはイモ類などに含有される成分で、その根や実に多く分布します。いわゆるブドウ糖のことで、この物質は太陽光を元に水と二酸化炭素から植物の光合成で生成されます。人間には植物のような光合成はないため、穀類やイモ類などを摂取することで生命を維持するためのエネルギーを作り出しています。 ブドウ糖になるデンプンは人間が食べ物として体内に取り込むことで分解され、ブドウ糖へと変化します。小腸を介して肝臓へ運ばれますが、ここで特定量はグリコーゲンとして蓄積されます。しかし過剰なブドウ糖によってその許容量を超越すると、今度は脂肪として内臓や皮下に蓄積され肥満の原因となります。一方、小腸から取り込まれたブドウ糖が肝臓へ移動した際、一定量はそのまま血中へと送られます。この場合、筋肉グリコーゲンとして溜められたり、細胞の活動のためのエネルギー源として利用されたりします。 吸収されたブドウ糖はピルビン酸と呼ばれる物質に変化しますが、これは酵素によるものです。ピルビン酸自体は酵素作用でアセチルCoAと呼ばれる物質に変化し、TCAサイクルにまわされます。この過程で発生するクエン酸がエネルギーと水分を生じさせる訳ですが、これは酸素反応によるものです。つまり呼吸によって取り込まれた酸素とクエン酸が反応するためです。通常、この酸素を使用するエネルギーが生命活動を支えることになりますが、酸素を使わないで発生するエネルギーもあります。いわゆる解糖のことで、酸素不使用で生じるエネルギーです。極端な運動によって酸素が足りなくなった際に利用されるエネルギーであり、ピルビン酸へと酵素作用によって変化するプロセスで発生する僅かなエネルギーを言います。