酵素

通常の化学反応とは違い、ある種の物質に緩やかな決まりで反応を生じます。オキシダーゼと言われる酸化還元酵素には、カタラーゼやグルコースオキシダーゼといったものがあり、果汁加工品などに用いられます。ハイドラーゼと呼ばれる加水分解酵素には、プロテアーゼやアルファ-アミラーゼといったものがあり、チーズやブドウ糖に使われます。イソメラーゼと言われる異性化酵素には、グルコースイソメラーゼといったものがあり、果糖や異性化糖に用いられています。トランスフェラーゼと呼ばれる転移酵素にはアルファ-グルコシルトランスフェラーゼがあり、パラチノースに使われています。たんぱく質である酵素(こうそ)は、古くから食品加工に用いられており、ある種の物質に独特の反応を生じる性質を有しています。pHや加熱によって活性を消失するため変性しますが、多くの酵素は加工の際にその能力を発揮します。普通は常温、常圧にて反応させますが、加工が終わった際には過熱処理などによって、その活性を消滅させます。これをしないと、加工食品の変性が進展して分解も拡大します。ただし、例外としてベータアミラーゼなどは加工品の柔軟性を保持させるために、あえて加工が終了してから加えることもあります。 パパインはパパイヤ科パパイヤの果実から採取されたもので、食感を高めたり、肉を柔らかくするのに用いられます。ペクチナーゼは酵母や糸状菌、担子菌などを培養したもので、果汁の清澄化に役立ちます。プロテアーゼはたんぱく質分解酵素であり、魚類や動物などから抽出する他、放線菌や酵母、細菌、糸状菌、担子菌などを培養して作り出します。味噌や納豆、醤油などに古くから用いられてきました。ベータアミラーゼやアルファアミラーゼは麦芽といったものから抽出する他、細菌や放線菌、糸状菌などの培養液から作られます。グルコースイソメラーゼはブドウ糖を果糖に変化させます。これを異性化作用と言いますが、ブドウ糖や果糖、果糖液糖、ブドウ糖液糖などに使われます。グルコアミラーゼは糖化アミラーゼといわれているもので、でん粉をほぼブドウ糖に変化させます。インベルターゼはスクラーゼやシュークラーゼ、サッカラーゼなどとも呼ばれているもので、フラクトオリゴ糖やフォンダントに用いられます。ベータガラクトシダーセはラクターゼとも言われるもので、乳製品に用いられます。