幹細胞~iPS・臓器・非幹細胞~

前世代の有する細胞機能から要らないものを除去しながら細胞は分裂していきますが、このことは僅か前の細胞にはその後の細胞機能の全部が備えられていることを意味します。幹細胞(かんさいぼう)とはこういった様々な働きの希望を持った細胞のことを言い、他の細胞に変身することが可能です。人間で例えると様々な能力を持った個体差ということができ、その将来性は加齢と共に減少していきます。つまり、選ぶ道が減っていくことを意味しますが、幹細胞そのものはたった一つの道が残っていれば、その定義にあてはまります。体細胞とはその最後の道がなくなってしまったことを言い、一つの組織において非幹細胞として一生を終えることになります。 幹細胞とは様々な臓器細胞に変身できる機能を持っており、iPS細胞もこれに該当します。従来の細胞加工では難しかった疾患が、新たに細胞を新生させることによって治療の効果が期待できます。 幹細胞はその先の結果がどういった状態になるかによって、あらゆるタイプに分裂します。小腸では非常に多くの細胞を作り出さなければなりませんが、これは新陳代謝がよく行われる臓器の一つであるためです。当然、幹細胞を有しますが、このタイプの臓器細胞はiPS細胞に比較すると万能性に劣り、基本的には自分のコピーを生成し続けるのみとなります。