コルチゾール・神経伝達物質・記憶

ホルモンや神経伝達物質の均衡が崩れたり、記憶に関わる働きに支障をきたすといったことはストレスによって生じます。人間の身体はこれらの要素に支障を来たして救助を求める合図を出すと言われています。興奮や鎮静といった感情などは神経伝達物質によってコントロールされており、具体的には当該物質の間でやりとりされる情報とともにその量や質によって変化をもたらしています。物事を考えたり、覚えたりする行動などにもこの物質が関与していますが、血管の拡張や収縮、心筋や胃腸の活動などにも関わっています。 臓器などは自分の意思に関係なく動作しますが、これらの機能は交感神経と副交感神経によって釣り合いが保たれています。勿論、直接的には神経伝達物質によって制御されていますが、ストレスが発生すると交感神経が高まり、不安定化します。そうなると下痢などの消化不良を招いたり、心拍数の上昇といった形で出現します。 コルチゾールはホルモンの一種ですが、ストレスへの耐性を強化したり、腫れを鎮めたりする働きがあると言われています。このホルモンは持続的な精神ストレスに晒されることで分泌されますが、長期に渡って過剰に分泌されると神経細胞へも悪影響を与えます。つまり物覚えが悪くなったりしますが、これは脳内で記憶に関わる海馬において神経細胞に異常が引き起こされるためです。