パーキンソン病とドーパミン

ドーパミンは脳内神経伝達物質ですが、これが足りなくなるとパーキンソン病を引き起こすと言われています。これは脳の神経細胞が変性するためで、筋肉の強張りや手足の振るえなどが症状として出現します。しかし実際には自律神経の混乱に起因しているようで、ストレスや薬物乱用が引き金になっているとされます。長期間に渡るストレスは交感神経を緊張させるため、これが脳の血液循環を悪くさせ、血流障害を招くと考えられています。ただ脳に発生している動脈硬化の進行なども影響しており、特に五十代以降で多く見られます。尚、筋肉の強張りは体温を上昇させるために出現する症状であり、手足の震えも血流増加を意図して身体が引き起こす防衛反応です。しかし一般にはこのような症状をパーキンソン病と定義されています。 薬物療法では脳内ドーパミン濃度を上昇させる薬などが使用されますが、その改善は一過性のものとされます。これはドーパミンが交感神経を刺激するものであるためで、長期間継続投与することで交感神経の興奮を招くことになります。つまり、服用量を増やしても次第に効き目がなくなっていきます。 治療は基本的にストレスを解消させ、自律神経の混乱を抑制するといったものになります。また適度な運動や体温を上昇させる入浴などによって血行が改善され、症状も緩和していきます。