創傷治癒・止血・PDGF・TGF-β

止血は血小板が凝集して血栓を構築することで行われます。また傷口から入り込んだ病原体などへは免疫系が作用し、死滅した細胞も処理します。更に血小板に起因する成長因子が出てきて、これによって線維芽細胞が増えることになります。この因子はPDGFと言われており、傷口において本格的な回復が行われます。同時に損傷部位を外部から保護するため、表層が角化され、血管新生も見られるようになります。この血管新生は新しく生まれた組織に対して栄養素や酸素を運ぶために必要なものです。最終的に線維芽細胞は自滅して消えるわけですが、これは損傷した組織がほとんど回復した時に見られます。またこういった細胞自滅のことをアポトーシスと言います。 日頃生じる擦り傷や切り傷のこと創傷と言い、上記のような症例はいわゆる創傷治癒です。組織が修復される過程でPDGFやTGF-βといった増殖因子が放出されますが、他にもいくつかの因子が知られています。これらはそれぞれの修復段階によって放出され、必要とされる際に必要量だけ増やし、修復に働きかけます。