運動不足

筋肉を利用しないことから体の温度が低くなり、血液の流れも悪化する運動不足が健康に悪いことは周知の事実です。これは血中に含まれる老廃物が燃焼されず、汗や尿の出も悪化するためで、もちろん綺麗な血液は維持できなくなります。心臓の役割はポンプのようなもので、血液はこの臓器の収縮力で全身へ送り出されます。動脈を経由して、体のすみずみにまで水や酸素、栄養素を各細胞に運び、そしてその細胞から排出される老廃物を回収して、再び心臓へ戻っていきます。この心臓へ戻る血液は静脈を通過するわけですが、動脈を通って心臓から押し出されるような動力は、静脈にはありません。そのため、筋肉が用いられます。人間のからだにはほぼ一体となって神経、筋肉、静脈が存在しています。筋肉が動くたびに収縮と弛緩が繰り返されるため、血管に圧力が加わったり、解放されたりします。つまり、これが動力となって、静脈の血液を心臓へ戻しているという訳になります。医学的見地からは一日一万歩以上の歩行が推奨されていますが、これはHDLと略される善玉コレステロールが血中において増えるためで、延いては動脈硬化など生活習慣病を防ぐ効果があるためです。更に、体温の上昇はこういった運動から生じますが、このことは白血球の作用を高めることにつながり、老廃物や細菌などが次々処理されていくことになり、結果として血液を綺麗にしてくれます。 人間の体の筋肉はその七割近くが下半身に位置します。その活動を維持するためには、多くの血液を要する一方、心臓より低い場所に存在していて、遠距離に位置します。このことが血液の流れを滞らせる原因になります。その解決には歩行が最も推奨されています。歩くことによって下半身の筋肉が使われ、滞っている血液が次々に心臓へ戻っていくためです。尚、筋肉痛や肩凝りなども血液が特定の場所で滞ってしまうことによって発生します。これは疲労物質などが血流悪化から特定の場所に蓄積するためで、このことが神経に影響を及ぼして痛みを生じます。このため、マッサージなどを行うことで、筋肉緊張が解消して血流が良くなり、延いては疲労物質がその場所から移動して痛みも消失します。