リンデンの概要
リンデンはシナノキ科に属し、日本では西洋菩提樹(せいようぼだいじゅ)と呼ばれることもあります。古くからヨーロッパにおいてインフルエンザや風邪、高血圧、不眠といった症状に用いられてきた経緯があり、これはリンデンの葉に利尿、鎮静、発汗作用があるためと考えられていたからです。また、リンデンの芳香は甘く、これは精油成分であるファルネソールによるもので、心身の緊張を解し、興奮を抑え、不安を解消すると言われています。一般にはハーブティーといった茶剤や入浴剤として用いられ、またオレンジフラワーなどの他のハーブとの併用もされています。発汗を持つハーブではエルダーフラワーなども該当し、これはフェノール化合物とフラボノイドが含有されているためで、リンデンも同じく含まれています。イギリスではりんでんを高血圧や風邪、上気道カタル、不眠といった症状への使用が薦められており、これは発汗、降圧、鎮静、鎮痙といった働きがあると考えられているからです。またドイツでは、風邪やそこからくる咳などへの利用が薦められていて、特に初期段階の風邪では小児科においてペパーミントを併用したハーブティーが処方されています。
りんでん/ハーブで期待される効能・効果
鎮静、鎮痙、利尿、発汗、保湿作用など。保湿に関しては外用で用いられますが、主に、風邪やそれに伴う咳、不安、不眠、高血圧、上気道カタルといった症状に対してその改善目的で使われています。使用を控えるべきケースは、知られていません。また副作用も特に認められていません。含有される成分では、アラビノガラクタンといった粘液質、ファルネソールなどの精油成分、カフェ酸やクロロゲン酸といったフェノール酸、ヒペロシドやルチン及びティリロシドといったフラボノイド配糖体、そしてタンニンなどがあります。