モモの概要
モモは原産地を中国としていて、バラ科に分類される落葉高木となります。一般には、中国がモモの起源とされていますが、原産地は明確にされていません。モモの節句は三月三日でひな祭りですが、中国においては春の花をモモとしています。一方日本では、お花見などで知られる桜となります。もともと旧暦の三月三日が桃の節句であるため、現代の時期では三十日程度のずれが生じます。薬草として利用されるのは、種子である仁となります。これは、モモの果実内部に存在する殻果の中身となります。桃仁(とうにん)と呼ばれる生薬名を有し、別名では桃核仁(とうかくじん)と呼ばれています。また、日本薬局方にもその記載がなされています。更にその使用歴史は古く、神農本草経と言われる中国の書物にもその記載がなされています。一般に、桃のトウニンは、漢方の領域において配合され、且つ処方されています。そのため、トウニン単体での利用は見られません。含有される成分では、エムルシンやアミグダリンといったものがあり、このアミグダリンは分解によって青酸を生じさせます。そのため、摂取する際は注意が必要とされています。薬用部分は、このトウニン以外に、蕾(つぼみ)も使われています。採取時期は、花が咲く前が適しているとされており、これを乾燥させたものを水で煎じて飲用されます。白桃花と言われていて、水腫及び二日酔いなどに使われます。これは、白桃花に利尿作用があるとされているからです。
モモ/薬草で期待される効能・効果
漢方の領域ではトウニンが処方された漢方薬を用いて、血液循環の改善に利用されます。これは、複数の薬草が用いられているため、トウニン単体の作用ではありません。その他、乾燥させた蕾には利尿作用があるとされています。