サネカズラの概要
長い花柄が新しい枝の基部より五月から六月にかけて下側に垂れ、淡黄色をした一つの花を咲かせます。雌花には沢山の雌しべが見られ、花の時期が終了した後、球形をした集合果になります。その集合果は、伸長した花床上に発生します。雌雄異株で、厚みのある葉を持ち、その縁には鋸歯が見られます。またツヤがあって柔らかく、毛が見られません。サネカズラは日本で関東より西側の暖地に分布していて、蔓性木本であるため、自分以外の植物に絡みついて成長していきます。サネカズラの栽培は、株分け或いは挿し木によって行い、秋の終わりを迎える頃に成熟した果実を採取します。これを天日干し後、乾燥させたものが利用されています。サネカズラの茎葉は、通常、必要なときに採取されますが、保存する場合は夏に採取したものを陰干しにして乾燥させます。尚、マツブサ科に分類されるサネカズラは、漢方の領域でも利用されており、美男葛(びなんかずら)と呼ばれる生薬名を有しています。これは、生の茎葉から抽出される粘液性の液体のことを指しています。また、南五味子(なんごみし)と呼ばれる生薬名もあり、こちらは、成熟したサネカズラの果実部を乾燥させたものとなります。
サネカズラ/薬草で期待される効能・効果
滋養強壮、疲労回復など。いずれも果実部が用いられますが、茎葉は頭髪に塗布されたりもします。水の量を増やして果実酒にすると、粘液性が現れ、これが毛の艶を良くすると言われています。