靫草/ウツボグサ[うつぼぐさ]

ウツボグサの概要

生薬名では、夏枯草(かごそう)と呼ばれるもので、これは、夏にウツボグサの葉が青くなっている最中に、褐色へと花穂が変色して、枯れていくように見えるところに由来しています。ウツボグサの採取時期は、ちょうど褐色となるこの時期が適切とされていて、採取したものは天日干しで乾燥させ、その後、水を用いて煎じ、飲用します。ウツボグサには利尿作用があるとされているため、空腹時において一日三回飲むのが良いとされています。膀胱炎や腎炎に伴って発症する浮腫みがある際には、ウツボグサが有効とされています。ただ、胃がもともと弱い方などは、その使用を控えた方が良いとされています。煎剤では、咽喉炎や扁桃炎、口内炎といった症状が現れている時にうがいをすると有効とされています。その他、春を迎える頃に出てくる若葉は強壮目的で使われています。尚、ヨーロッパではハーブティーとしてウツボグサが使われており、主に、傷薬として治癒を促したり止血といった目的で利用されています。他にも、内出血の抑制や強壮剤としての利用、更に咽喉炎といった症状に対しても使われています。

ウツボグサ/薬草で期待される効能・効果

抗菌・消炎・利尿・収斂・止血・強壮作用など。主に、膀胱炎や腎炎に伴う浮腫みの改善や、炎症した口腔粘膜の改善、高血圧、目の充血、泌尿器系の感染症の改善といった目的で使用されています。含有される成分では、ビタミンB1やビタミンC、ビタミンKの他、カロテノイド、タンニン、カフェイン、トリテルペノイド、カリウム塩といったものがあります。