山椒/サンショウ[さんしょう]

サンショウの概要

サンショウは薬味として古くから利用されており、アブラナカに分類されるワサビなどと同様になります。食用としては、佃煮や漬物に若い実が用いられたり、また樹皮や花なども食されます。更に寿司や吸い物といったものにも若葉が利用されています。現在、薬用に利用されているのは、川椒(せんしょう)と呼ばれているもので、中国産のものとなります。山椒(さんしょう)より芳香性は劣るものの、刺激となる辛味などは川椒の方が高いとされています。実は芳香性健胃薬としても利用されており、これは、実に含有されるリモネンやサンショオールといった成分が、中枢神経系に働きかけ、内臓の作用を活性化させるためと考えられています。また、サンショオールは幼虫のアカイエカに対して高い殺虫性を有し、そのため感染症を防ぐのに有効とされています。サンショウの別名では、「カショウ」、「アサクラザンショウ」などと呼ばれており、近縁種ではプリックリーアッシュと呼ばれる植物も存在しています。こちらは西洋ハーブとなります。サンショウは日本各地の山野などに見られ、ミカン科サンショウ属に分類される落葉低木となります。羽状複葉であり、ギザギザを有する卵型の小葉が相対する葉を持っており、これらは縁に見られます。小さな花を夏が訪れる頃につけ、その色は黄緑色となっています。サンショウに含有される成分ではクエルシトリンなどのフラボノイド類、山椒アミド、α-サンショオール、γ-サンショオールといった辛味成分、そして精油成分である、β-フェランドレン、ゲラニオール、リモネンといったものがあります。

サンショウ/薬草で期待される効能・効果

利尿・殺虫・抗真菌・抗菌・鎮咳・健胃・駆虫作用など。また、局所麻酔に用いられることも有り、一般には胃腸障害である胃炎や、食欲不振、消化不良といった症状の改善目的で使われています。更に咳や浮腫みといった症状にも有効とされています。