タデアイの概要
かつての日本では、青の染料を得るのにトウダイグサ科に分類されるヤマアイを利用していました。ただ、青色といってもどちらかと言えば緑色に近かったとされます。これは藍色の元となるインディゴと呼ばれる色素成分になるものが含有されていなかったことに起因しています。一方、タデアイには、藍色の色素成分であるインディゴが含まれています。厳密には、インディカンと呼ばれる成分からインディゴに変化するのですが、まずインディカンは加水分解から、インドキシルと言われる水溶性の物質に変化します。インドキシルが含まれる液体に布を浸すと、空気との接触によって酸化され、インディゴに転換されます。この成分を含有する植物は古くから存在していて、マメ科に分類されるインドキアイ、キツネノゴマ科に分類されるリュウキュウアイ、アブラナカに属するタイセイ、マメ科に属するナンバンコマツナギといったものがあります。いずれもインディゴを含有しており、いわゆるデニムの青色ともなります。タデアイは別名でアイタデとも呼ばれており、タデアイの近縁種ではビストートと呼ばれる植物も存在しています。ただ、こちらは西洋ハーブの一つとなります。タデアイは日本各地の山野などに見られる植物であり、成長すると凡そ五十五センチ程度の草丈になります。円柱形で柔らかい茎を有し、その色は紅紫色をしています。有柄であり、互生した葉は、凡そ七センチ程度の長さになっており、その形状は卵形や長楕円状をしています。タデアイに含有される成分では、インディカンと呼ばれるインドキシル配糖体などがあります。
タデアイ/薬草で期待される効能・効果
解毒・止血・消炎・収斂・解熱作用など。一般に、虫刺されや火傷、腫れ物、そして口内炎や咽頭炎、扁桃腺炎といった症状に対してその改善目的で使用されます。