トンカツと千切りキャベツの相性の謎

ずばり、トンカツの油に起因する胸焼けを防ぐ成分がキャベツに入っているからだ。なぜキャベツなのかと言えば、他の野菜にはこの作用が殆どないとされるから。こういうエビデンスがあったわけだ。実際キャベツには抗潰瘍の働きが認められており、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に有用とされている。つまり、予防に期待できるということだ。ではなぜ、トンカツには生のキャベツばかりセットで出てくるのか。それは、キャベツ特有の抗潰瘍性物質が熱に耐性を持たないから。そのため、生で食べなければ効果がないというわけだ。トンカツとキャベツのセットは科学的根拠があるため、キャベツが単純に添え物としてだけの理由で存在していた訳ではないことを分かって貰えただろうか。 ちなみにキャベツを水に浸してから料理に盛る傾向がある。これはシャキシャキ感が出てくるからだ。なぜシャキシャキするのかといえば、冷たい水によって細胞膜のペクチンが凝固するから。しかしトンカツとのセットで、この水に浸したキャベツを料理に盛れば、問題が出てくる。それは水に浸すことによって栄養分が流出し、ひいては抗潰瘍物質も失う可能性があるからだ。つまり、胸焼けを抑える物質を喪失するということになる。それを考慮すると、トンカツとセットでキャベツを食べる場合は、あまり冷水や水に浸すのはよろしくないと言えるだろう。
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