精白米のとぎ洗いは最初の一回目が肝心

精米と精白は同じような意味で用いられるが、狭義では異なる。精米とは玄米の糠を取り除く工程とこれを経て得られた胚乳のみの米、という二通りの意味がある。一方、精白とは糠層を削り取って白米にする工程を意味する。また、玄米から白米の間には三分つき米、五分つき米、七分つき米、胚芽米という糠をわざと残した米が存在する。糠を取り除くのはご飯が美味しくなるからだが、その糠にはビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれているため、糠をわざと残した米があるというわけだ。もちろん、白米であってもとぎ洗いする以上、糠は残っている。以下で言う精白米は胚乳のみにしたいわゆる白米を指す。 一般に精白米は必ず「とぎ洗い」をする。これは糠によってご飯が美味しく無くなるからだ。無洗米なら必要のないとぎ洗いだが、精白米では糠の臭みを取り除かなければならない。このとぎ洗い、最初に手早く済まさないとあとあと引きずってしまう点がある。というのは、初めに入れた水を素早く捨てないと、糠によって汚れた水を再び米が吸収してしまうからだ。 お米を洗う際は通常、ボウルを使うことと思う。そのボウルにお米を入れ、そして水を容量の八割ほど入れる。ここで数回かぎ混ぜて、サッと水を捨てる手順が大切だ。これは最初に水を入れた時、米が水を取り込みやすいのと同時に、汚れも取り込みやすくなっているからだ。つまり、ゆっくりしていては、取り除いたつもりの糠やその他の汚れが再び米へと戻ってしまうため、洗っても汚れ、洗っても汚れるという繰り返しになってしまうのだ。そのため、一回目のとぎ洗いはすぐに終わらせなければ意味がない。しかし、二回目からは一度水を取り込んでいるため、それほど吸水されなくなる。吸水されにくくなれば、汚れも米へ戻りにくくなるため、急ぐ必要もなくなるわけだ。最初の一回目のとぎ荒いがうまくいけば、そのあとは慌てず普通に数回繰り返せばよい。ただし、お湯を使うのはよろしくない。特に冬場の水は冷たくなる。冷たいからといってついついお湯を使う人もいるだろう。しかしこれは汚れの再吸収を促進させてしまう。温度が上昇すれば、米も水を取り込みやすくなるからだ。
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