ウドンやソバを茹でた際、水洗いする理由
麺の表面の粘りを除去するために水で洗い流し、またその粘りが広がるのを抑えるために麺を冷やすのである。そして、粘りを取り除く最大の理由は、麺に「コシ」を与えるためである。ウドンやソバを茹でた際、習慣的に水洗いする人は多いだろうと思う。しかし、その理由をハッキリ認識していない人もおられるのではないだろうか。もちろん、洗い流すのには麺を綺麗にするという目的もあるだろう。埃やチリが混入してしまうこともあるからだ。そして単純に粘りをとるという意味もある。粘りがあればそれだけベトベトして食感も悪い。食感が悪ければ美味しさも半減するからだ。しかし、何と言っても冷水で麺を冷やすのは「コシ」を持たせるというのが最大の理由となる。茹で上がった麺を素早くザルにのせ、冷水に晒して水をきる。これが麺に「コシ」を与え美味しく仕上げるテクニックというわけだ。
では、麺の粘りがどうして発生するのか。それは「デンプン」があるからだ。デンプンは熱を加えることによって糊化する。この糊化によってネバネバを引き起こすわけだ。しかも麺をすぐに冷やさないと糊化は芯のほうまで水分を取り込んで拡大してしまう。そうなると麺そのものがのびてしまう。そこでこれを食い止めるために、冷やすという手順が必要になってくる。冷水で冷やされた麺は引き締まるので、その結果コシの強い麺が出来上がるのだ。水で洗い流した後の手順は、麺の種類によって多少異なるケースもある。しかし、湯で解し、冷水で引き締めるという手順を踏めば、大抵の麺は美味しく頂けるというわけだ。
ところでパスタなどはもともと麺のコシが強くなっていて弾力がある。火も通りにくいし、べたつき難い。これに対し、ウドンやソバは逆になる。従って、水で洗うという一手間が重要になってくるわけだ。