ハクサイの葉っぱは、内部のほうが美味しい

白菜を調理する時、まず外側の葉を剥ぎ取ってしまうのがほとんどのケースだろう。その後は生ごみとして処理されることと思う。見た目に萎れていたり、汚いというイメージもある。そういったことも廃棄される理由の一つになっているのかも知れない。しかし、外側の葉より内側の方が美味しいという事実を知っている人もおられることと思う。経験的にそう感じている人もいるかも知れない。実はエビデンスが存在したのだ。 白菜の旨味が内部に偏るのは、内部の葉が成長しようとしているからだ。実際、白菜を半分に切って放置してみたら分かると思うが、内部の葉が立ち上がってくる。これは生きている証拠でも有り、若い葉が伸びようとしてもがいているのだ。ではその成長するために必要な栄養分をどこから得ているのか、という疑問が出てくることと思う。その答えはつまり、「外側の葉」だったのだ。もちろん、収穫前でも内部の葉は外側の葉からどんどん栄養を吸収する。外側の葉が作り出した栄養素も容赦なく取り込んで行く。そして、収穫されてもなお、吸収する。こういうメカニズムがあった訳だ。 基本的に白菜の葉は内部のほうが美味しいし、栄養価もある。糖や旨味成分であるグルタミン酸は中心部に偏って、そこに甘みがあり、旨味もあるからだ。そうなると、買ってきたらすぐに内部の葉から食べてしまえば合理的だ。というのは、内部の若い葉をいつまでも置いてては、外側の葉の栄養分を吸い尽くされてしまうからだ。しかも買ってきてすぐに外側の葉を廃棄するぐらいなら、内部の葉から使ったほうが、外側の葉の栄養は内部に奪い取られないし、外側の葉にもキッチリ旨味が残る。こうすることで、内側と外側の両方の葉を無駄なく美味しく頂けるというわけだ。
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