カレールウは火を止めてから入れた方が溶けやすい
ルウを入れるのは火を消してから。この一手間を省くケースも多いのではないだろうか。市販のカレールウの場合、箱などに記入されている説明には大抵「火を一旦止めてから」の注意書きが見られることと思う。これには、ちゃんとした理由がある。その理由とは、高温状態によって糊化が進行するからだ。
糊化とは、デンプンに水と熱を加えることで糊状になることを言う。ルウには小麦粉由来のデンプンが含まれており、熱を加えることによって「とろみ」が出てくるのはこのため。しかし過度に高温になってしまうと、糊化も急激に進行する。するとルウの表面に膜を形成し、内部が溶けにくくなってしまうという現象が起こるわけだ。たまに出来上がったカレーライスを食べていて、固まったダマ状のカレールウを口の中に入れてしまったことはないだろうか。また、カレーの調理時にダマが出来て、溶かすのに苦労したことはないだろうか。つまり、そういうことである。
手順としては簡単だ。まずカレーを作る場合、最初に野菜や肉を入れることと思う。ルウを入れるのはこれらの具材が程よく煮えた時だが、まず一旦火を止めて入れることで、滑らかな舌触りの良いカレーが出来上がるというわけだ。これはシチューなどでも同様のことが言える。ちなにインスタントラーメンで食べる直前や火を止めてからスープを入れるとの説明書きは、メーカ側の解説だとスープの濁りを招いたり風味が飛んでしまうことによる理由だそうだ。