オーブンの特徴は輻射式と対流式で大きく異なる

輻射式(ふくしゃしき)オーブンは、赤外線を主とするエネルギーでヒーターを加熱し、それを側面から放射させるタイプのオーブンである。対流式(たいりゅうしき)オーブンは、庫内全体の空気を熱伝導によって温める方式で、製品によって熱風の強さが異なる。 ではより詳しく説明しよう。輻射式オーブンは、焼き上がりの時間が赤外線の波長によって違ってくる。またヒーターの形状やそれが取り付けられている位置、内部の広さ、そして壁面や天板に使われる材質によっても変わってくる。壁面の温度が上昇しないと赤外線もそれに比例して放射されにくい性質がある。しかし熱を放射しやすい材質であれば、焼き上がりも早くなる。また、厚い天板でないと劣化によって、焼きムラを招くこともあるので、あまり薄いものはよくないと言える。一方、対流式オーブンの焼き上がり時間は、熱風の強さによって変化し、熱風が弱いほど食品への熱伝導が悪くなる。これに対し、勢いがあれば早く出来上がるものの水分が抜けて乾燥した仕上がりになってしまう。 オーブンには、製品によってこういった独特の特徴があるため、焼き時間や設定温度が一緒でも出来上がった状態は異なる。その差は機種に採用されている仕組みによっては大きく現れるものだ。オーブンを買い替えた時に、こういったことを実感することがあるのではないだろうか。つまり、以前用いていたオーブンと今回購入したオーブンとでは、焼き上がり方が違うというわけだ。そこで重要になってくるのが、オーブンによって異なるこういった特徴を早めにつかむという点。これはよく使う食材で試してみるのがいいだろう。同じものであれば、細かな違いに気づきやすく、次第に使いこなせるようになることと思うからだ。 ところで、今はオーブンレンジというものがあり、これはオーブンと電子レンジを併用する製品だ。電子レンジでの加熱方法は、電磁波(マイクロ波)を使う。水分を含んだ食材が対象であり、オーブンとは異なるメカニズムで加熱されるのは周知の事実だ。最近のオーブンレンジは単なるオーブンとレンジの合体ではなく、上部はヒーター(※グリル・オーブン)、下部はマイクロ波(電子レンジ)といった使い方が同時にできるものまであり、融合といったほうが相応しいのかも知れない。また、遠赤外線で表面を焼き、近赤外線で脂を落とすといった機能も面白い。 ちなみにオーブンの歴史は古代インダス文明まで遡る。当時は煉瓦と粘土を用いた簡素なものだったそうだが、これが最初ではないかと言われている。また、前を向いてそこから入れたり取り出したりするパン焼きの原型は、古代ギリシアで初めて作られたとする説があるが、定かではないと思われる。 ※グリル焼きはあぶり焼きのことである。オーブン焼きは閉じた空間の中で設定した温度で加熱する方法である。