洞房結節・房室結節・心電図

洞房結節は右心房に見られるもので、ここで生じた電気的興奮は、心房の全域に拡大します。すると収縮が心房で引き起こされます。房室結節は心房と心室の間に存在するもので、いわば電気的興奮の中継点となります。房室結節からはヒス束とそこから分岐する左右の脚があります。つまり、この部分に電気信号が届けられると、それがいっぺんに心室の全域へ広がり、収縮が心室に生じます。 よく知られているペースメーカーとは洞房結節の役目を担うもので、この部分では電気的興奮を一分間におよそ65回前後発生させていると言われています。心臓の各部屋が規則正しく動作するのは、この洞房結節の存在と、そこから届けられる電気信号があるためです。 心電図は上記の興奮を示したもので、P波とQRS波、T波からなります。心房収縮はP波のことで、心室収縮はQRS波です。そして心室に起こった興奮から元に戻る状況を呈するのがT波です。このように心臓の刺激伝道系で生じる非常に弱い電気をキャッチし、それをグラフ化したものがいわゆる心電図と呼ばれているものであり、心疾患の診断やその治療に重要となります。